七月のアオとクロ


風が吹き渡る朝、今日から七月です。
刷られた七月を表す円版、暦の青い風も、心を抜けてゆきます。


ホルスト・ヤンセンの木版画に心惹かれます。
拝見したのは、彼のアトリエが建つドイツはブランケネーゼの教会、或いは村の集会所でしたでしょうか。そこに、ご友人達が所有するヤンセン作品が、一堂に会されておりました。11月の少し肌寒い空気だったからでしょうか、曇天の空の下だったからでしょうか、彼の木版画のその黒が、言いようのない安らぎの内に、より強く心を捉えました。


時は流れ、めくられた暦。壁の黒に掛かる七月の青を見た時、あの時の感覚がよみがえりました。何がそれらを思い出させるのだろう。時々に起こる 「あの時の感覚 」というものがあるけれど、久しぶりに会った友人のように大切に接したいと思っています。



『 HORST JANSSEN  
 HOLZSCHNITTE 1957-1961』より





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