そうだ、風の話しをしようか
「 波が時そのものなら
波に向かおう
波起こす風に
頬を打たせて
天空に目を据えてやる 」
21年前、風を受けながら直さんが仰った
風を追い
風を受け
風の声を聴く
風が往く所へ行き
風に吹かれて
風を知る
風に問い
また、問う
あれから21年が経った
そうして、
風は答えを運んできた
優しく頬を撫でる
その風が運んできたんだ
愛を
真っさらな紙の中に在る
ほんの一瞬 吹く風
その風を感じるために、
紙と共に、旅に出、
紙と共に、岬に立ち、
紙と共に、夜明けを、陽が昇るのを待つ
紙の上にしるされています。
直さんの染め描く紙の上に。
その紙の中にいて、私たちはその風を感じることができる。
その愛とひとつになることができる。
誰の人生にも風が吹いている
風って、そういうものだろう
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