刻ノ大陸 VI


「 落書 ラクショ 」



想いが壁の上にある

直さんの工房の壁には、いくつもの言葉が記されています。


染め描く手に持つ刷毛による文字…

2B鉛筆の筆跡…

水彩絵の具で色がのせられた風景…


その中の一つに私は胸が熱くなります。

森の緑が見える窓の横にそっと書かれてありました。

まだ白い雪野原が映る三月の光の頃の一文です。


一字、一字、と刻むように記されたその言葉は、ちょうど手のひらに収まる大きさにありました。

この落書を、私は自分の手のひらの内に、心の内に大切にいただいています。


この情景をお伝えしたく思い、今回の「刻ノ大陸 Ⅵ」では、直さんに鉛筆を持っていただきました。


刻ノ大陸、六冊目、

この小さな一文に込められた深くて大きな一念を、モエレ沼公園での展覧会「擦文」にて知っていただけることを嬉しく思います。





刻ノ大陸 Ⅵ 「楽書」 概要


文  直筆  染描        坂本直昭

発行日                      2024年6月7日

限定             20部

価格            15000円 (税込)

企画 仕立て 発行   紙のめぐみ





KAMI NO MEGUMI

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