立てた柄杓から


ここ一カ月ほど、眠れない日が続きました。まるで遠足前夜の子供のようです。精神が追いつかないままに歳を重ねてしまいました。
朝、紙を待っていて下さる方の元へ車を走らせました。お約束の時間にはまだ少しありましたので、山道の傍に停まり、木に話しかけました。
静寂に耳を澄まして、呼吸を整えます。記憶から湧いてくるものをクリアにして、真っさらな自分で今を迎えたいと思いました。
彼のそのスペースの内では、目に入るもの、耳に聞く音、言葉、一日全てが瞑想の中に在るようでした。最後まで胸の高鳴りが止むことは叶いませんでしたが…
長くて美しい一日の終わりに見上げた星空。
北斗七星 立てた柄杓から残りの手水を流すような澄んだ心となりました。


0コメント

  • 1000 / 1000