三十の風景

本「刻ノ大陸」


岬の陰、
海渡る風、
平野往く道、
雲かかる月影、
葉の落ちた森、
あの山から吹き来る雪、
甘い春霞、
揺れ薫る草むら、
丘に降りる虹、
葉陰に見る星、
どこかの国の、
いつかの空の中に、

どこまでも美しい紙の風景
私は言葉を知らない

泣くな私、
泣かなくていいんだよ

この空を、この永遠を、
きっと知っている


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