御崎
先日、直さんが紙のめぐみに足を運んでくださいました。
開催しております「刻ノ大陸 刊行記念展」にご来店くださいましたお客様と、岬のお話し、帰られたばかりのノルウェーのお話し。
岬って 「今」なんだよ。絶えず波と風に削られてるんだ。だから今の岬は「今」しかない。過去でも未来でもないんだ。
2、3日前にノルウェーから帰ってきたんだ。白い紙を持って旅に出るんだけど、朝日が昇る海に紙を広げて染めてくる。どうやろうかなんて何もないから、一瞬を、「その刻」を、捉えるしかない。
その一瞬のために俺は行くんだ。
私の人生の中で、一瞬一瞬に真っ直ぐに向かう刻があるだろうか。
今はこれだけしか考えられないから出来ないから続きは後で……そんな事を言える一瞬ではなく、店の経費100万円をかけ、旅の日は限られ、雲は往き、風は過ぎ、朝日を迎え、心征くまま紙の中に一瞬を捉える、そういう刻。今の自分の全てがそこに、そういう刻。
私には無い。でも、私にはこの紙がある。
紙展「御崎」
会期
7月12日(金)〜14日(日)
10時〜18時
会場
デザインギャラリー
旭川市宮下通11丁目
0コメント