白夜 ノルウェーで生まれし紙と冬晒しの紫陽花
店内にしつらえるための緑はまだ無い。
秋の名残りの紫陽花と蔓、店先で冬に晒されている。剪定バサミを入れさせてもらうと、枯れているように見えるこの草木も生きているとわかる。
昨年、直さんがノルウェーで紙を染められた。
この紙を展示するための旭川の展覧会場は、気持ち良く、十分な広さを持つ。
ノルウェーで生まれし紙たちが大気を作った。
紙舗直さんより発行された写真集『白夜幻視行』の冒頭より…
夏至
北極圏のノルウェー
白夜
北は北極星
東は日の出
白夜に方位はない
藁の刷毛を持ち
紙と彷徨う
直さんの紙は話す
19年前初めて見たその時から紙は私に語りかける
生きていることについて、生きていくことについて、今について、これからについて
自分には良くとも、誰かにこの紙の良さはと聞かれた時には、未だうまく伝えられない。
だからこの紙をそのままにお伝えしたいと思う。
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