自然の中には、直線は見当たらない


 『 自然界には直線はない 』

直さんがおっしゃっていました。
草木の枝葉、茎、山の稜線、地平線水平線、波、あらゆる…
手漉き紙の持つ優しさや懐かしさ、
自然染料を用いて直さんが染め描く刷毛の、心の跡
水で切る、でんぷんのりで貼り重ねる
人の手から生まれるもの
日々のごはんでも、雑巾がけでも、
ものを作る、する、ことのひとつひとつ

人の心を含めた自然界には、まぁるくまぁるくの優しさが包み含まれていて、そうなっているよ。という懐の深さがあるように思います。
いつでも肩の荷物を下ろしてもいいし、いつでも安心して軽やかに、楽しんでいいんだよ。と思います。

裏山の葉が秋の風と光に揺れる
もう遠くへいってしまった虫たちの声
高く澄み渡る空と果てしない宇宙

もしそれが我がそばに見当たらなくとも、私たちの心は、そこに繋がっていて、目をつむればいつもそこにいることができます。

直さんの染め描く紙がそのことと同じように、心の中の大きな宇宙へと繋がっています。


まいにちまいにち
ひびひび
いまここ

直線は見当たらない

まぁるい世界に生きているように感じられてほっとします。



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