紙郷の一輪

令和二年度
「小国芸術村会館」閉館特別展



今年のはじめにお知らせいたしました、新潟県は直さんの工房があります、小国町山野田での展覧会が9月5日より開かれる事となったそうです。
『紙郷の一輪』と名付けられました小国芸術村会館さいごの展覧会です。

工房を建てられてからの三十三年間の長きに渡り、紙に携わる国内外の素晴らしい方々とその作品を、直さん、紙舗直さんは私たちにご紹介下さいました。

それは毎年の雪解けの春でした。雪深い山里です。会館の一年の幕開けとなる展覧会でした。
閉館となる今春、新型コロナウイルス感染症を以て、延期となっていました。
長い白の世界から、山桜と水芭蕉、そしてウグイスの鳴く雪解けの萌黄色の季節を、山里は毎年見せてくれました。
さいごは、初秋の空を見せてくれるように、そんなふうに山里は思ってくれたかも知れません。
中越地震以後、山野田に寝泊まりされる人は、直さんだけとなりました。住まわれる人のなくなったこの地が、「しんしんと降り続ける雪の夜も、深い雪の中も、ウグイスにハルゼミの大合唱の蒼い春も、照りつける陽射しの夏の日も、田の蛍の深い夜も、落ち着き始めた秋の日も、ポプラ揺れる一日も、どの季節もいいところだよ」と、山里は見せてくれるように思ってくれたかも知れません。
そこにある古民家、小国芸術村会館に楽しい声が戻って来る日を、山里は毎年楽しみにしていたかも知れません。
私が初めてお伺いした2002年の「西の画人と東の紙屋」ホルスト・ヤンセン氏と直さんの心の交流を見せて下さったあの素晴らしい展覧会からの一年一年が胸を焦がすものとなりました。

どうぞ、あの、山里へ、
お出かけください。




令和二年度

「小国芸術村会館」

閉館特別展


紙郷の一輪


9月5日(土)〜10月25日(日)
会館日
土日祝日の計18日
午前10時〜午後3時

小国芸術村 芸術村会館
新潟県長岡市小国町山野田20番地
電話 0258-95-3135


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