太古の昔は海の底
紙のめぐみの玄関を入っていただきますと、正面に掛け紙をいたしております。
蓮子の花の蕾のような、或いは坐位の仏さまの御姿にも、阿修羅像の様にも見えますキラの染描紙。
掛け紙の前には、ヒマラヤの岩塩があります。ヒマラヤの紙漉きさんからだよ。と、直さんからいただきました。開店よりココに居てくれますので、少しずつ小さくなってきました。
玄関には “盛り塩”
その代わりにルビーソルトと呼ばれるこの硫黄の匂いのする岩塩を置いています。時には軽く水流を浴び、お日様で日光浴。気持ち良いかな、と思いまして…。(それですから、溶けて小さくなってしまっているのです。)
開店してまもなくのこと、帰られる際にお客様が仰いました。
「知らない所に一人連れて来られて、この石(岩塩)が寂しい思いをしていますよ。名前を付けて、話しかけてあげてください。」
毎日の朝と帰り、店に挨拶をしておりましたので、そのお言葉には抵抗は無く、“ルビちゃん” に手を翳して、声をかけるようになりました。
少し経って、お客様がいらした際、「もう大丈夫ですって。」
太古の昔、ヒマラヤ山脈は海の底だったといいます。海底は押し上げられて世界一高い山々となりました。
どれほどの長い歳月でしょう。
まだ海の中での事や、雲の上に顔を出すほどの隆起の間も、岩塩に変わろうとする過程にも、たくさんの出来事や思いを記憶したのではないかしらと、この一つのルビーソルトに対して心を寄せるようになりました。
石ころ一つ、砂の粒一つ、みんなそれぞれにも思い出があるのだなぁ、なんて美しい世界なのだろう。
そして、硫黄の匂いの中、ヒトの頭の中は無限なのだろうなぁ、そんな事をぼんやりと想像してみます。
8月24日(月)
10時から14時まで開店いたします。
上記以外の日時をご希望のお客様は、メール、お電話にてご予約くださいませ。
kaminomegumi.paper@gmail.com
011-512-6736
留守番電話の際は、お名前とお電話番号を残していただけましたら、折り返しご連絡させていただきます。
本日も健やかな一日をお過ごしください。
0コメント